雪の名残も少ない里から見えた和賀山塊は白く、うららかな春の陽気も手伝って、重装備となるテント泊山行でも気分が盛り上がってきます。
材木切り出し作業の邪魔にならないよう除雪終点に車を止め、装備を分担し、ワカン装着。
2万5千図にはない登山道に沿って、小沢を二つ越え牧場脇からC770m市町村界分岐へ。
足元の雪はザクザク暖かさに緩み、ベースのウェア1枚でも額からは大粒の汗。
本日一番の登りのあと、昼食を取って力をつけ稜線に乗っかると、高下岳、和賀岳、大荒沢岳などが、飛んでいきたいほど近くに見えます。
素晴らしい眺めを堪能しながら沢尻岳へ。やっとザックから開放!羽根代わりのサブザックで矢のように?モッコ岳をピストン。
沢尻岳直下のお宿で暖かいココアを飲みながら山座同定に盛り上がるうちに、本日のメニュー比内鶏だんご鍋の香りが食欲をそそります。
夕日が明日の好天を約束してくれるかのように赤々と沈み、星が顔を出す頃、疲れと楽しさとチョットのお酒で就寝です。
翌早朝はホワイトアウト。じわじわガスの切れ間が出てきました。テント撤収後には雲海の上、太陽と山と私たち。なんという贅沢。
行程中最もきつい登りを2段こなし、どっしりと立派な山容の大荒沢岳を踏みます。
ここからはサブザックで軽快に、目指す朝日岳は目前、しかしながら岩手山や秋田駒ケ岳、山を映した田沢湖の美しさにしばし心を奪われます。
やや急な雪の斜面をシリセードした鞍部からは、青空を白く切り取るような羽後朝日の丸い稜線が。
北隣の志度内畚の沢へと続く魅力的なスロープは、スキーならばぜひ滑りこみたいところ。
朝日岳山頂からは秋田側の眺めはもちろん、360°の大展望、いったいどこにカメラを向けたらいいのか〜!
風もなくのんびり気分で山頂を後にし、大荒沢岳に戻る頃、いったんガスに包まれました。
とうとう来たかと思いながらと言うのは冗談で、雲海として溜まっていたガスが昇ってきただけさ!カンジキの紐を締め直し、高下岳へ向けて南進です。
大きく崩れかけた雪庇もあり、キツネの踏跡の道案内に励まされながら、小ピークを越えていきます。
どこからか雪が舞ってきて、黄砂の黄色に白いレースを敷いたよう。
和賀岳へ続く長く白い稜線を隣りに眺めながら、徐々に高下岳が近づいてきました。
山頂に数名の登山者の姿。最後の登りを一歩一歩つめ、今回初めて風に吹かれた高下山頂に到着です。
盛岡から来たパーティに同行して高畠口への登山道からC970m辺りで支尾根に入り、第二堰堤付近に出て、林道を銀河高原へ下山(夏道はありません)。
天候に恵まれ、笑顔あふれるテント泊山行でした。(貝沢登山口まで車で送っていただいた盛岡のパワフルなおじさん!ありがとう御座いました)
登山情報
□ 貝沢口は除雪がC466m付近まで。木材の切り出し作業で大型ダンプが転回するため、駐車場所に注意したい。スペースは数台程度。
□ 銀河高原の立ち寄り湯¥600。タオル以外全て揃っています。
上記コースタイムは休憩時間を含めての到着時間で表しています。
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