釜房湖を通過中、曇り空ながら蔵王連峰稜線が霞んで見えておりました。
ブドウ沢入口付近は紅葉が見頃で、とてもやさしく柔らかい色彩に包まれていました。
陽射しがなくても美しいものだと感心。雑木林を歩いていくと二回の渡渉です。
一昨日の大雨の影響かやや流れがあります。
なんといってもツルツル滑る石です、重心をうまく移動して・・・どっぽん!ってならないようにネ。
ブナの径が太くなってきたなと感じる辺りから、急登の始りです。
ジグザグの登山道や木の根張りが階段を作ってくれています。
この登りは続くので、適当なところで振り向いて、後ろに広がる景色を楽しみました。
こうするとふくらはぎも休まります。空が近づいてきて尾根筋に上がりました。ふ〜っ。
小沢を3つ越えて潅木のトンネルを抜けると、笹原に建つ八方平避難小屋前に飛び出しました。
すぐ先に南雁戸山を仰ぎ、振り返ると熊野岳から屏風岳まで見ることができました。
この先の登山道の状況と風とを考慮し昼ご飯をしっかり食べ、暖かい耐風装備に衣替えして出発です。
風はどんどん強まりますが、雨の心配はなさそうです。
右に宮城、左に山形、どちらを見ても両手に花!の風景を楽しめました。
南雁戸山からはジェットコースターのような稜線に張り付く登山道が見え、
風の抜け道や沢からの吹上げなどに煽られて、笹原や草原が波のようにうねっています。
「ざわわ〜♪ざわわ〜♪」おっとと、足元だけはご注意を。
雁戸山からは葉山や月山、仙台神室や船形山方面の眺め、蔵王ダム付近の紅葉、釜房湖畔が。
産毛のようなグレーの森が、紅葉の裾野へと変化していく様は、
日本画のような繊細な色使いを喚起するのだと感じました。
乾いていて歩きやすかった道がいつのまにかぬかるみになり、
送電線の鉄塔が見え隠れしてくると、じきに史跡の多い笹谷峠に到着です。
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